保育園における熱中症対策!予防法・適切な対応やおすすめ製品を紹介

保育園は、生後2ヶ月から小学校入学前までの子どもが多くの時間を過ごす場所のため、快適な環境づくりが非常に重要です。
 
特に近年では、最高気温が35℃を超えることも珍しくないことから、子どもたちの健康や安全のために熱中症対策には特に力を入れるべきといえるでしょう。
 
この記事では、「保育園における熱中症対策」をテーマに、予防法や適切な対応の他に、快適で安全な保育環境を実現するためにおすすめの空調システムを紹介します。

保育園における熱中症対策の重要性

熱中症は高温多湿な環境で、体内に熱がこもって起こる病気で、その症状は高熱、けいれん、嘔吐、意識障害などがあり、最悪の場合には命に関わることもあります。
 
特に、保育園に通う乳幼児は、体温調整機能や汗腺が未発達で、大人と比べて体温が上がりやすいので、熱中症のリスクが高くなります。
 
熱中症対策のために、夏の外遊びでは十分な注意を払う必要がありますが、熱中症は屋内でも発生することがあり、消防庁のデータによると、熱中症の発生場所の約40%が敷地内を含む住居で発生していることがわかります。これは、屋外でだけでなく室内でも熱中症が発生することを示しています。(※)そのため、屋外だけでなく、保育園内での熱中症対策も欠かせません。
 
屋内で熱中症が起こるのは、水分補給不足や、換気不足による熱の滞留の他に、室内の温度と湿度の高さが大きな原因となります。一部屋に多くの人数が集まる保育園では、人が動くことで放出される熱も増加するので、室内の温度と湿度の管理が非常に重要で、さらに、子どもたち観察も怠ってはなりません。
 
保育園は子どもが長時間過ごす場所であるため、熱中症対策は、子どもたちの健康と安全を守るうえで重要なことです。さらに、そうした取り組みは保護者から園への信頼性の向上にもつながります。
 
※参考:消防庁「熱中症を予防して元気な夏を!」

保育園における熱中症対策

保育園における熱中症対策
 
保育園における熱中症対策は、各自治体が策定した方針やガイドラインに基づいて実施されています。ガイドラインには、熱中症の発生原因や症状、対策方法などが示されています。
 
ここでは、保育園における熱中症対策について、具体的に解説します。

こまめな水分補給

こまめな水分補給は、熱中症対策の中でも重要な対策のひとつです。特に子どもは大人よりも体の水分量が多く、乳幼児の場合は70~80%を占めていて、1日に必要な水分量が小学生頃の子どもより多くなっています。
 
乳児の場合は一度に摂取できる水分量が多くないので、よりこまめな水分補給が必要となります。そのため、一定時間ごとに水分補給の時間を設けることが有効です。また、睡眠中は汗をかきやすくなるため、お昼寝から目覚めたタイミングでは必ず水分補給をしてあげましょう。
 
自分で「喉が乾いた」と言える年齢でも、遊びに夢中になっていたりすると、そのことを認識できない場合があります。また、一般的に「喉が乾いた」と感じる時には、すでに脱水が始まっているといわれているので、保育園の決まったスケジュールの前後に声をかけて飲ませるような工夫が必要です。特に、外遊びや運動を行った後は、たくさんの汗をかいているので、意識的に水分補給をさせましょう。
 
保育園では、大人の感覚で水分補給をするのではなく、時間やタイミングを決めて定期的に行うのが良いでしょう。

適切な服装

服装も熱中症対策の大切なポイントです。気温に適していない服装であったり、通気性が悪く吸湿性の低い素材の服装では、体温がこもってしまい熱中症のリスクが高くなります。また、汗で濡れた服は通気性が悪くなり、体温が上昇しやすくなります。
 
例えば、コットンや麻などの天然素材は吸水性や吸湿性に優れていて蒸れにくく、レーヨンやリネン素材は通気性と速乾性に優れています。さらに、適度に肌を露出して熱を逃がしやすくするのも重要です。首元や袖口が開いている服装で、身体への密着を少なくするのが効果的です。
 
その際、脇からの汗をガードしてくれる点からタンクトップより半袖がおすすめですが、柄物の場合はプリント部分の通気性が悪くなり、汗をかきやすくなる場合があるので注意が必要です。
 
また、黒や紺、深緑といった濃い色は熱を吸収しやすいのに対して、白や黄色などは熱の反射率が高いと言われています。
 
そういった服装を園児にしてもらうように保護者に伝えるとともに、汗をかいた時の着替えを多めに持参してもらい、適切なタイミングで着替えさせることで、熱中症対策になります。

室内の温度管理

保育園で、長く過ごすことになる室内の温度管理は非常に重要です。前述したように、保育園に通う年齢の乳幼児は、大人のように体温調節がうまくできず、室温が少し高いだけでも大きな負担となる場合が多いです。。
 
一般的に夏場のエアコンの設定温度は26~28℃、室内湿度を60%が目安とされていますが、室内で元気に遊びまわる年齢の園児と、寝ていることが多い年齢の園児とでは体感温度は異なります。
 
園児の活動内容に応じて、温度設定を変更し、活発に動いている園児が汗ばんでいるようであれば、エアコンの温度を下げたり、扇風機やサーキュレーターなども併用しましょう。
 
窓からの直射日光を遮るためのブラインドやカーテンの導入も熱中症対策に有効です。室内の熱の7割以上が窓から入ると言われており、その熱が室内の壁や床に蓄積され、室温を上昇させることになるので、直射日光を遮ることで快適な温度を保つことができます。
 
なお、エアコンの設定温度は、場所によって実際の温度と異なることがあるので、定期的に温湿度計で確認することが重要です。
 
その際には、園児の背の高さや座った時の高さに合わせて測定しましょう。

外遊び時間の調整

夏の外遊びは、たくさんの汗をかき、暑さに慣れることで体温調節機能を向上させることになり、熱中症予防に役立つと言われています。しかし、当然ですが、外遊びは室内より熱中症のリスクが高まるので、十分な注意が必要です。
 
熱中症対策を行いながら、外遊びを行うには、時間帯の配慮が重要です。一日の中で最も気温が上がる時間は14時頃です。しかし、真夏の場合は10時頃から気温が上がる日も珍しくないので、外遊びの時間は午前10時頃まで、もしくは15時以降がおすすめです。外遊びの前には、打ち水を行っておくのも良いでしょう。打ち水をすることによって、地面に撒かれた水が蒸発する際に地面の熱を奪い、日中の打ち水では、体感温度が約1.5℃下がるとされています。
 
遊ぶ時間の長さにも注意する必要があります。気温が30℃を超える日の場合は30分以内になるようにして、30℃以下の場合でも、15分~20分ごとに水分補給と休憩を入れるようにしましょう。
 
暑さ指数(WBGT)計を使って、暑さ指数が「危険(31以上)」の場合や、環境省の熱中症警戒アラートが発令された場合には、外遊び中止の判断をすることも重要です。

こまめな観察

乳幼児は自分の体調の変化を上手く伝えることができないことも多いので、こまめな観察が熱中症予防につながります。顔が赤くほてっていないか、汗をかきすぎていないか、ぼんやりとしていないかなど、わずかな異変にも気付けるように、園児を観察しましょう。
 
熱中症の症状をリストにして、保育園での活動ごとに園児の様子をチェックする「健康観察タイム」を作れば、常に健康状態の確認ができ、熱中症を発症した場合でも早期に発見できる可能性が高まります。
 
また、熱中症になると体温が上がりますが、それが身体の表面に表れないこともあるので、非接触型の体温計などを使って、こまめに体温を計るようにするのもおすすめです。

保護者との情報共有

保護者との情報共有も保育園における熱中症対策では重要なポイントです。
 
夏場の連絡帳は、「朝食を食べたか」「寝不足ではないか」「いつもと違う体調の変化」がないかといった通常時の内容に加え、休日明けの連絡帳には「前日に屋外で活動をしたか」「屋外活動はどれくらいあったか」といった項目を記入できるようにしておくとよいでしょう。
 
それは、熱中症の症状が翌日に出ることもあるからです。気温の高い休日に家族で出かけたりして疲れが溜まっていたり、十分な休息や水分補給ができていなかったりすると、翌日熱中症が起きる可能性があります。
 
保育園から、熱中症対策として有効な服装や、帽子の持参などの声かけも行いましょう。夏本番の前に、熱中症予防に適した服装や、衣服の素材、色などをまとめたものを作って保護者の方に配っても良いでしょう。
 
また、保育園で園児の飲み物を用意していても、飲みたがらないお子さんの場合は、保護者に相談して、普段飲み慣れたものを持参してもらうといった園児ごとの対応も検討しましょう。

熱中症の症状と応急処置

熱中症の症状と応急処置
 
熱中症対策を行っていても、熱中症にかかるリスクはゼロになるわけではありません。そのため熱中症の主な症状と応急処置を知ることも重要です。
 
ここでは、「主な症状」と「応急処理」に分けて解説します。

主な症状

熱中症の主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
 

  • 体温が高い
  • 顔が赤くほてっている
  • 疲れが見られる
  • 大量に汗をかいているのに手足が冷たい
  • 呼吸が早く、脈がおそい
  • 手足のしびれがある
  • 食欲がない
  • 機嫌が悪い
  • 歩くときにふらつきがある
  • 頭痛を訴えている

 
また、乳児の場合は以下の点についても注意しましょう。
 

  • 皮膚が乾燥気味
  • おしっこやうんちの量が少ない
  • 泣き声が弱々しい、または異常に高い声で泣く
  • ぐったりしている
  • ミルクを飲まない

 
さらに、熱中症が重度になった場合の症状は以下のようになります。
 

  • 意識障害
  • 40℃以上の高熱
  • けいれん
  • 汗をかかかない

応急処置

続いて、応急処置について順番に解説します。
 
①涼しい場所へ移動させる
直射日光が当たらない日陰や、冷房が効いた室内などに移動します。
 
②衣服をゆるめて身体を冷やす
帽子や上着を脱がせ、熱が放出されるようにし、保冷剤や氷のうなどを使って、首・脇・足の付け根などの太い血管がある場所を冷やします。
 
③水分補給
意識がはっきりしていて、水分を摂れそうであれば、常温の水や経口補水液を、時間をかけてゆっくり飲ませてあげましょう。
 
④必要に応じて医療機関を受診
吐き気がひどくて水分補給ができない場合や、応急処置を行っても回復しない場合は医療機関を受診し、意識がない、けいれんを起こしているといった熱中症の重症症状が表れている場合には、救急車を呼びましょう。

保育園の空調設備を選ぶ際のポイント

保育園の空調設備を選ぶ際のポイント
 
熱中症対策において、適切な空調設備の導入も重要となります。ここでは、保育園に導入する空調設備を選ぶ際のポイントとして「種類、タイプ」「能力(馬力)」「導入費用・ランニングコスト」の3つに分けて解説します。

種類・タイプ

導入する空調設備を選ぶ際に考慮すべきポイントの一つが種類やタイプです。
 
たとえば、一般家庭で使われる壁掛形のエアコンは、設置が容易で操作も簡単なので、各教室や事務室などに適しています。
 
運動を行うような広い空間には、広範囲でも均一な温度管理が可能な天井埋め込みカセット形が適しています。天井裏にスペースがなく、埋め込むための大規模な工事が難しい場合には、天井吊形という選択肢もあります。
 
自由に設置場所を選びたい場合や、他の空調設備と合わせて導入する場合には、床置形が有効です。
 
設置する場所の特性を理解した上で種類やタイプを選びましょう。

能力(馬力)

空調設備の能力(馬力)に目を向けることも大切です。馬力とは、空調設備が持つ冷暖房能力を示す指標で、メーカーや種類によって多少異なりますが、「1馬力」は「約2.8kW」に相当します。これは約8畳の室内を冷暖房する能力があることを意味します。
 
保育園では、設置場所の広さに応じて適切な馬力のエアコンを選ぶ必要があります。また、部屋の広さだけではなく、天井の高さ、窓の数や大きさ、日当たりなども冷暖房効率に影響するので、それらも考慮しましょう。
 
適切な馬力の空調設備を選ぶことで、エネルギー効率の良い運用が可能になります。これは熱中症対策に加えてランニングコストの削減にもつながります。。

導入費用・ランニングコスト

導入費用やランニングコストも見逃せないポイントです。特に、夏は日常的に長時間使用するため、消費電力が大きくなります。ランニングコストが低い空調設備を導入することで、電気代の削減はもちろん、環境への配慮にもつながります。
 
近年のエアコンは高効率のコンプレッサーや熱交換器を用いることで、少ないエネルギーで効率的に冷暖房を行えるように設計されているものがある一方で、省エネ性能が高い空調設備は高額なケースが多いです。

保育園の熱中症対策におすすめの「エコウィンHYBRID」

保育園の熱中症対策におすすめの「エコウィンHYBRID」
 
保育園の熱中症対策には、輻射式冷暖房システム「エコウィンHYBRID」の導入がおすすめです。
 
「エコウィンHYBRID」は、園児たちを熱中症から守るための快適な室内環境と、ランニングコスト低減の両方を実現する空調システムです。
 
遠赤外線の原理を活用し、室内の空気を直接加熱や冷却するのではなく、物体自体を温めるまたは冷やすことによって、より効率的な室温管理を実現できます。
 
エアコンを微風運転にするだけで、室内の空気を循環させ、室内全体の温度を均一に保つことができ、結果として、体感温度が2~4℃変化し、それによりエアコンの設定温度を通常より高く設定(夏)、または低く設定(冬)しても室内を快適な温度に保つことができます。
 
保育園は温度の下げすぎやエアコンの風が直接当たることに注意する必要がありますが、エコウィンHYBRIDは風を出さずに、快適な環境を作ることができるので、保育園にはまさに適しています。
 
さらに、エコウィンHYBRIDは従来の空調システムと比較すると、顕著な省エネ効果が表れ、快適な室温を保ちながらランニングコストの削減を可能にします。園児や先生にも経済的にも優しい、エコウィンHYBRIDは保育園に導入するのに理想的な空調システムといえます。

保育園の熱中症対策は重要

近年では夏場の気温上昇が顕著で、多くの子どもを預かる保育園での熱中症対策は重要な課題となっています。
 
乳幼児は、体温調整の機能が未熟で、熱中症のリスクが非常に高いので、夏場の気温に応じた柔軟な対応が不可欠です。
 
保育園における熱中症対策としては、こまめな水分補給や適切な服装、外遊び時間の調整、こまめな観察が重要です。さらに、保護者との情報共有や適切な室内の温度管理も求められます。
 
おすすめの空調設備として輻射式冷暖房システム「エコウィンHYBRID」を紹介しました。
 
「エコウィンHYBRID」を導入することで、保育園の室内全体の温度を均一に保つことができ、快適かつ安全な環境を実現できます。熱中症対策は、園児たちの健康を守るだけでなく、保育園の経営全体に影響を与える課題です。しっかりとした対策を講じて、快適で安全な環境を維持しましょう。
 
弊社、千葉共同印刷株式会社は、エコウィンの認定代理店として、数多くの保育園への導入実績もございますので、エコウィン製品にご興味をお持ちの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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