トレーニングルームやジムのような運動を行なう場所は、高温多湿な環境になりやすいので、利用者の快適さや安全性を確保するためにも、適切な空調設備が欠かせません。
今回の記事では、トレーニングルームやジムにおけるエアコンの必要性や、エアコンを選ぶ際のポイントを解説し、おすすめの空調設備である輻射式冷暖房システム「エコウィンHYBRID」の特徴や導入事例を紹介します。
トレーニングルームやジムのエアコン導入、もしくは、既存設備の交換をしているご担当者様は、ぜひ最後までお読みください。
トレーニングルーム・ジムのエアコンの必要性

運動を行なう場所である、トレーニングルームやジムでは、利用者の体温の上昇や発汗などにより、室内が高温多湿になりやすくなります。適切な温度や湿度の管理ができていないと、快適性が失われてしまいます。
さらに、温度や湿度の上昇は単に不快になるだけでなく、熱中症などの発生リスクにもつながります。利用者の安全を守るためにも、適切な空調設備を導入することが重要です。
一方で、室内の温度が低すぎると、ケガのリスクも高まります。
利用者だけでなく、働くスタッフにも影響します。暑さや寒さによる疲労が蓄積してしまうと、集中力の低下などにより、適切な指導や接客ができなくなる可能性があります。
そのため、トレーニングルームやジムでは、利用者の満足度とスタッフが働きやすい環境を維持するために、適切なエアコンの導入が必須となります。
トレーニングルーム・ジムならではの課題
トレーニングルームやジムの空調環境には、オフィスや店舗とは違った課題もあります。まず挙げられるのが、人の体温上昇や機器の発熱による室温の上昇です。室内での運動は汗をかきやすいため、空間が蒸し暑くなりがちです。加えて、トレーニングマシンが発する熱による温度上昇もあります。
運動中に冷房の冷たい風が直接体に当たると、筋肉が冷えて硬くなりケガのリスクが高まるので、風の向きや空調の位置にも注意が必要です。
また、トレーニングルームやジムは一般的に天井が高く、広い空間なことが多いので、温度ムラが生じやすい傾向があります。その空間でできるだけ快適な温度を保つためには、空調の効率が下がりやすく、結果として消費電力も大きくなりやすくなってしまいます。
さらに、トレーニングルームやジム特有の課題として汗や臭気のこもりがあります。湿度が高い状態では、汗が乾きにくくなるので、においが発生しやすく、それが利用者の不快感の原因になってしまいます。空調とあわせて換気システムの導入も求められます。
業務用エアコンの寿命・交換時期
業務用エアコンの一般的な寿命は10~15年程度といわれています。ただし、トレーニングルームやジムでは、広い空間を長時間にわたり冷暖房する必要があるため、負荷が大きくなりやすく、設置環境や使用状況によっては寿命が短くなることもあるでしょう。
定期的なメンテナンスを行っていたとしても、稼働時間が長ければ、経年劣化による機器内部の劣化は避けられません。「エアコンの効きが悪くなった」「異音がするようになった」という場合には、交換を検討するべきでしょう。
また、エアコン性能は10年前の機種と最新の機種とでは大きく差があります。特に省エネ性は大きく変化しているので、稼働条件が同じでも電力消費を抑えられることが多いです。そのため、電気代の負担を軽減したい場合にも、交換を検討したほうが良いでしょう。
トレーニングルーム・ジム向けのエアコンの種類

トレーニングルームやジムでは、広さやレイアウトなどを考慮したうえで、最適な空調機器を選ぶことが重要です。ここでは、主に採用されている業務用エアコンを紹介します。
天井カセット型
天井にすっきり収まるのでインテリアや外観を損なわずに設置できるタイプです。室内機本体や、配管、配線などは天井に埋め込まれ、露出部分は化粧パネルのみというスマートな見た目が特徴です。吹き出し口は、4方向や2方向があり、室内全体に均一に風を送り届けることができるので、温度ムラを抑え、快適な環境を保てます。
一方で、設置には天井裏の十分なスペースで、開口工事も必要になるので、初期費用や工事費が比較的高額になる傾向があります。
壁掛型
設置・更新が比較的容易で、費用を抑えながら導入できるタイプです。一般家庭で普及しているエアコンの形状で、設置も容易で限られたスペースでも取り付けが可能なので、小規模なトレーニングルームや、パーソナルジムなどに適しています。種類も豊富で、デザイン性が高いものもあるので、内装にこだわりたい場合には、そのような製品を選ぶのがおすすめです。
ただし、1方向への送風で吹き出し口も広くないため、広い空間や天井が高い場合の使用には不向きです。また、高さのあるマシンが多かったり、パーテーションなどを設置している場合には、風が遮られてしまうので避けたほうが良いでしょう。
天井吊型
天井から吊り下げて設置するタイプで、設置工事も比較的容易です。天井の高さがある場合や、天井内のダクト工事が難しい場合に適しています。吹き出し口は1方向ですが広く設計されており、直進性のある風を遠くまで届けることができます。そのため、天井が高い中型~大型のトレーニングルームやジムなど、広い空間での設置に向いています。
一方で、空間内に温度ムラが生じやすいというデメリットもあります。1方向からの送風になるので、室内に柱が多い場合には適切ではありません。また、天井から吊るすタイプであることから、天井が低い空間に設置すると圧迫感を与えてしまう可能性がある点にも注意が必要です。
床置型
床に直接設置するタイプで、キャスター付きの移動が可能なタイプもあるので、設置の容易さやメンテナンス性に優れています。スタッフルームや受付まわりなどに補助的に使われることが多いです。また、短時間で温度を調整したい場合にも活躍します。
ただし、設置するための床のスペースだけでなく、前面・上部・左右にも一定の距離を確保しなくてはなりません。さらに、床のホコリやゴミがエアコンの内部に入り込みやすくなるので、他のエアコンよりもフィルター清掃や内部点検をこまめに行う必要があります。
トレーニングルーム・ジムのエアコンを選ぶ際のポイント

トレーニングルーム・ジムのエアコンを選ぶ際には、家庭用エアコンを選ぶときとは違った注意点があります。
冷暖房能力
一年を通じて、運動やトレーニングに適した温度を保つ必要があることに加え、広い空間でもあることから、適切な冷暖房能力のエアコンを選ぶようにしましょう。トレーニングルームやジムの広さや天井の高さだけでなく、利用するお客様の最大人数や、熱を発するマシンの数、スタッフの人数といった要素も加味して、必要な能力を判断する必要があります。
能力不足を避けるために、余裕を持ったスペックを選ぶべきでしょう。失敗を防ぐためには、設備を選ぶ際に専門業者に相談をするのがおすすめです。
機能
コロナ禍以降トレーニングルームやジムにおいては、清潔さや空気の清浄さなども重要視されるようになっています。密閉された空間で多くの利用者が汗をかき、呼吸を繰り返すため、空気やにおいがこもりやすくなります。そのため、衛生面をサポートする機能があるのが理想です。
例えば、冷房や除湿で発生した水分を利用し、汚れを流すものや、内部を乾燥させる自動掃除機能、窓を開けることなく空気の入れ替えが可能な換気機能、乾燥を防ぐことができる加湿機能などを選べば、季節や利用状況に応じて適切な環境を維持できるでしょう。
また、除菌や脱臭機能を備えたモデルを選ぶことで、汗や湿気により発生しやすい雑菌やにおいを抑制し、清潔で快適な空間を保つことができます。
温度の均一性
トレーニングルームやジムでは、室内の温度ムラが不快要因になりやすいです。冷房の風が特定のエリアだけに集中したり、逆に届かない場所があると、体感温度の差が生じやすく、快適な環境を提供できなくなってしまいます。
特に、マシンが多く並ぶ空間や、利用者の動線が限られる環境では、風の流れが遮られることもあります。温度の均一性を保ちたい場合には、天井カセット形で吹き出し口が4方向にあるものや、複数台のエアコンの設置を検討すると良いでしょう。また、サーキュレーターや扇風機などを併用すれば、室内全体をより均一に保つことができます。
空調機器の選定や配置は、導入前の段階でしっかり検討しておくことが大切です。
静音性
トレーニングに集中したい利用者にとって、エアコンの稼働音がストレスになる場合もあります。そのため、静かな空間づくりも欠かせません。
最近の業務用エアコンは、静音設計のモデルも多く、風量を自動調整しながらも運転音を抑えることが可能なものや、静音モードが搭載された機種などがあり、それらを選ぶことで音によるストレスを軽減できるでしょう。
また、トレーニングルームやジムの営業時間が夜間に及ぶ場合では、室外機の騒音も見逃せないポイントです。
省エネ性
トレーニングルームやジムでは、一日を通してエアコンを稼働させることが多く、光熱費の負担が大きくなりがちです。そのため、省エネ性能に優れた機種を導入することで、運用コストを大幅に抑えることができます。
近年の業務用エアコンには、高効率なインバーター技術や、使用状況に応じて自動で出力を調整する機能が搭載されていることが多く、無駄な電力消費を抑えることが可能です。省エネ型エアコンの使用は、CO₂排出量の削減にもつながり、環境への配慮という観点からもおすすめです。
その他
トレーニングルームやジムでは、利用者の動線やマシン配置を考慮しながら設置場所を決める必要があります。天井埋込型や壁掛型など、空間の特性に合ったタイプを選ぶことで、効率的に冷暖房を行えます。
また、清掃やフィルター交換のしやすさを確認しておくことで、衛生面の維持やメンテナンス負担の軽減につながります。さらに、内装デザインと調和する機種を選べば、空間の印象を損なわずに快適性を高められます。
トレーニングルーム・ジムにおすすめの「エコウィンHYBRID」

トレーニングルームやジムにおける空調設備は冷暖房能力だけでなく、温度ムラがないことや静音性、省エネ性にも配慮する必要があります。そうした課題を解決できる空調システムが「エコウィンHYBRID」です。
ここでは、エコウィンHYBRIDの特徴や仕組み、導入事例をご紹介します。
特徴・仕組み
「エコウィンHYBRID」は、快適性と省エネ性を両立できる次世代型の空調システムです。一般的なエアコンと組み合わせて使用するシステムで、遠赤外線の輻射熱によって空気ではなく人や壁・床などの物体をじんわりと温めたり冷やしたりする仕組みになっています。
そのため、夏場は木陰にいるような自然な涼しさを、冬場は陽だまりのような心地よい暖かさを体感できます。エアコンの風が直接体に当たらないため、トレーニング中でも不快感が少なく、身体への負担も軽減されます。
また、既存のエアコンを弱運転でも体感温度が2〜4℃ほど変化するため、エアコンの設定温度を、夏は少し高め、冬は少し低めに設定しても、快適な温度に保つことができます。
風量を強くする必要がないため、ホコリやトレーニング用のチョークの粉末なども舞いにくく、清潔な環境づくりにも役立ちます。
さらに安全性の面でも優れており、発熱部は低温輻射(約45〜50℃)で、接触時のやけどやケガの心配も少なく安心です。デザイン面もスタイリッシュで、トレーニング空間にも自然に馴染みます。
導入事例
「エコウィンHYBRID」は、すでにさまざまな施設で導入されています。一般住宅をはじめ、店舗・オフィス、保育園や介護施設などの福祉施設、役所や集会所といった公共施設、体育館やホテルなどの大規模施設にも導入実績があります。
それらの施設では、快適性や静音性に加えて、省エネ性や長寿命設計、スタイリッシュで空間になじみやすいデザイン性などで高く評価されています。ぜひトレーニングルームやジムでも「エコウィンHYBRID」の導入を検討してみてください。
トレーニングルーム・ジムにおける温度管理のポイント
トレーニングルームやジムでは、適切な温度管理が欠かせません。特に、温度や湿度が高すぎてしまうと、運動中の体温調節が難しくなり、トレーニングに集中できないだけでなく、健康リスクも増加してしまいます。
一般的に、運動時の室温は18〜22℃程度が理想とされています。
ただし、利用者の人数や時間帯によって温度を柔軟に調整する必要があります。利用者が少ない時間帯や外気温が低くなる朝や夜間などは、温度を少し高めに設定し、日中や利用者が多い時間帯などでは、低めに設定すると良いでしょう。
トレーニングルーム・ジムのエアコンをお探しなら
トレーニングルームやジムにおいては、利用者が快適で安全に運動できる空間を保つためのエアコン選びが重要です。冷暖房能力だけでなく、除菌や脱臭などの機能性、温度のムラが発生しづらい設計や、静音性、省エネ性にも配慮する必要があります。
室内の広さや天井の高さなどに応じて、「天井埋込型」や「壁掛型」などの種類やタイプを適切に選定し、快適なトレーニング空間を維持しましょう。
「エコウィンHYBRID」を導入することにより、利用者の不快感や温度ムラを大幅に軽減できます。導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。