理容室や美容室では、お客様に快適な時間を過ごしていただくためにも、室内の温度管理がとても重要です。エアコン・クーラーを選ぶ際には、一般の店舗とは異なる環境であることを踏まえた上で、店舗の広さや内装、スタッフの動線なども考慮することが求められます。
今回の記事では、理容室・美容室における空調の重要性をはじめ、適した種類、選ぶ際のポイントなどを解説します。
また、おすすめの設備として「エコウィンHYBRID」もご紹介します。新店舗で導入するエアコン・クーラー選びで迷われている方や、既存機器の交換を検討されている方はぜひ参考にしてください。
理容室・美容室における空調の重要性
室内が暑すぎたり寒すぎたりすると、リラックスしに来たお客様も落ち着けず、施術中にストレスを感じることになるでしょう。特にカラーやパーマなど、長時間の施術を伴うメニューでは、室温の影響が顕著に表れます。さらに、冷暖房の効きにムラがあると、不快に感じる場所ができてしまい、快適性を損なう原因にもなります。
また、働くスタッフにとっても室温は業務効率やモチベーションに直結します。暑さや寒さによる疲労が蓄積すれば、集中力の低下やサービス品質のばらつきにつながりかねません。店舗内を快適に保つことは、働く環境の整備であり、結果的に接客や施術の質を高めることにもつながります。
だからこそ、理容室・美容室では「空調=空間づくりの一部」として、計画的な設備導入と日々の温度管理、適切なメンテナンスが求められるのです。適切な空調の整備は、顧客満足度や従業員のパフォーマンス向上に直結する、経営上の重要な要素といえるでしょう。
理容室・美容室ならではの課題
理容室・美容室では、ドライヤーやパーマ機器、アイロンなどの熱を発する器具を頻繁に使用するため、室温が上昇しやすく、空調機器への負担が大きくなります。加えて、セット面やシャンプーエリアなど、ゾーンによって求められる温度や湿度が異なるのに対して、空調管理が難しいという課題もあります。
また、お客様が長時間座る位置が決まっているため、冷風や温風が直接身体に当たらないよう風向きの調整や設置位置への配慮も不可欠です。さらに、カラー剤やパーマ剤に含まれる薬剤特有のニオイがこもると、不快感の原因にもなることから、空調とあわせて効果的な換気システムの導入も求められます。
理容室・美容室向けのエアコンの種類
理容室・美容室では、先述した一般的な店舗と環境が異なることを踏まえた上で、店舗の広さやレイアウト、天井の構造なども考慮し、最適な空調機器を選定することが求められます。
以下では、主に採用される4つの業務用エアコンの種類別の特徴を紹介します。
天井カセット形
天井にすっきり収まるデザイン性の高さが特徴で、インテリア・外観を損なわずに設置できるタイプです。室内機本体は天井に埋め込まれ、露出部分は化粧パネルのみというスマートな見た目が魅力。4方向や2方向吹き出しなどの種類があり、均一に風を送り届けることができ、施術中の温度ムラを抑え、快適な室内環境を保てます。
また、配管や配線も天井裏に隠れるため、限られたスペースを有効活用できる点もメリットです。一方で、設置には天井裏の十分なスペースと開口工事が必要となり、初期費用や工事費が比較的高額になる傾向があります。定期的な点検・修理の際にも、天井の開口が必要になることからメンテナンス性も考慮した選定が求められます。
壁掛型
設置・更新が比較的容易で、費用を抑えながら導入できるため、小規模サロンや個人経営の店舗などで採用されることが多いタイプです。一般家庭でも広く普及しているエアコンの形状で、設置に大がかりな工事を必要とせず、内装への影響も最小限で済みます。限られたスペースでも取り付けが可能で、スタッフルームや着付け室など部分的な空調にも適しています。
近年ではデザイン性に優れたスタイリッシュなモデルも登場しており、店舗のインテリアとの調和も図ることができるでしょう。一方で、送風が1方向に限られるため、広い店舗や天井が高い空間では空気が循環しづらく、効率的な空調が難しくなる場合もあります。
天井吊型
天井から吊り下げて設置するタイプで、天井に埋め込むスペースが確保できない場合や梁が多い構造の空間でも柔軟に対応できるのが特徴です。設置工事も比較的容易で、天井内にダクトやスペースを確保しづらい店舗でも導入しやすい点が魅力です。吹き出し口は1方向ですが広く設計されており、直進性のある風を遠くまで届けることができます。
風向きを調整できる機種も多く、施術中のお客様に直接風が当たらないよう配慮することも可能で、大人数が同時に利用する中型〜大型の店舗に適しています。一方で、風が一方向からしか出ないため、空間内に温度ムラが生じやすい点や、吊り下げ式であるため、天井が低い空間に設置すると圧迫感が出る点には注意が必要です。
床置型
床に直接設置するタイプで、天井や壁の構造に左右されず導入できるのが強みです。主にスタッフルームや受付まわりなどで、補助的な空調機として使われることが多く、短時間で温度調整を行いたい場面にも適しています。
風の吹き出し位置が低いため、冬場には足元から暖められるという点が魅力です。キャスター付きで移動ができるモデルもあり、レイアウト変更にも対応しやすいのも利点です。特に既存の建物で大がかりな施工が難しいケースでは適しています。
ただし、床に近いためホコリや髪の毛、ゴミなどが内部に入り込みやすく、他のタイプよりもフィルター清掃や内部点検をこまめに行う必要があります。衛生面や性能維持の観点からも、定期的なメンテナンスが求められる点には注意が必要です。
エアコンの寿命・交換時期
エアコンの一般的な寿命は10〜15年程度ですが、実際には使用状況やメンテナンスの有無によって前後します。理容室・美容室におけるエアコンは、1年を通して稼働時間が長く、ドライヤーや照明による熱の影響も加わるため、一般的な住宅や店舗よりも負荷が大きく、寿命が短くなることも考えられます。
最近では、エアコンの省エネ性能や静音性が大きく進化しており、10年以上前の機種と比べると、消費電力や機能に大きな差があります。そのため、「冷暖房の効きが悪くなった」「異音やにおいが気になる」「電気代が高騰している」といった変化を感じたら、更新すべきタイミングかもしれません。
また、定期的なフィルター清掃や点検を行っていても、経年劣化による機器内部の不具合や消耗は避けられないため、トラブルが発生する前に計画的な交換を検討することが重要です。
理容室・美容室のエアコンを選ぶ際のポイント
理容室・美容室のエアコンを選ぶ際のポイントとして「冷暖房能力」「温度の均一性」「静音性」「省エネ性」などが挙げられます。
冷暖房能力
一般の住宅や店舗、事務所よりも冷暖房に高い負荷がかかる傾向にあるため、適切な冷暖房能力のエアコンを選ぶ必要があります。面積だけでなく、熱源となる機器の数や、お客様・スタッフの人数、日当たり、天井の高さ、出入口の位置や開閉頻度といった要素も加味して、必要な能力を正確に見積もる必要があります。
業務用の高出力モデルや、インバーター搭載で出力を柔軟に調整できるタイプのエアコンを検討することで、常に最適な温度を維持しやすくなります。また、過負荷や能力不足を避けるためにも、余裕を持ったスペック選びが重要です。設備選定では専門業者に相談すると失敗を防ぐことができます。
温度の均一性
お客様が長時間座って施術を受けるため、店内の温度ムラが発生しづらい機器・設備を導入することも重要です。冷暖房の風が特定の席だけに当たったり、逆に届かなかったりすると、不快感を感じる人が出てしまいます。特に理美容室では、座ったまま動けない状況が多く、わずかな温度差でも大きなストレスにつながります。
天井カセット形のように風を全方向に送れるタイプや、複数の吹き出し口がある機種、さらにはサーキュレーターや輻射パネルを併用する方法なども有効です。店舗の構造や什器の配置も影響することもあり、温度の均一性は、お客様だけでなく、施術者の作業環境にも大きく関わるため、空調配置や機種選定の段階で十分な検討が必要です。
静音性
カットやカラーなどの施術中に、エアコンの運転音が大きいと、お客様に不快感を与えるだけでなく、接客にも支障をきたします。特に、シャンプー中の水音やドライヤー音など、店内には一定の騒音があるため、空調機器はできるだけ静かなタイプを選ぶことが望ましいでしょう。
最近では、静音設計に特化した業務用エアコンもあり、運転時の騒音を最小限に抑える機種が増えています。例えば、風量を自動制御しながらも運転音を抑えられる機能や、夜間モードに対応したモデルなどがあり、音によるストレスを軽減できます。また、室外機の騒音も近隣環境への配慮として見逃せないポイントです。
省エネ性
理容室・美容室では長時間にわたり営業を行うため、エアコンの使用頻度が高く、電気代の負担も大きくなりがちです。そのため、省エネ性能に優れたエアコンを選ぶことは、光熱費の削減につながる重要なポイントです。近年の業務用エアコンには、高効率なインバーター技術や、使用状況に応じて自動で出力を調整する機能が搭載されており、無駄な電力消費を抑えることが可能です。
また、省エネ性の高いエアコンの使用はCO₂排出量の削減にもつながります。加えて、空調機器単体の性能だけでなく、断熱性の高い店舗づくりや適切なメンテナンスの実施も、省エネに直結する重要な要素です。初期費用は多少高くても、長期的には運用コストの削減につながる省エネ型の機器・設備の導入がおすすめです。
その他
メンテナンス性や安全性などの視点も重要です。例えば、限られた店舗スペースであれば、天井埋込型や壁掛型など、設置場所に合ったタイプを選定する必要があります。配管ルートや換気設備との兼ね合いも考慮し、効率的なレイアウトを検討しましょう。また、掃除やフィルター交換のしやすさも確認しておくと、日々のメンテナンス負担が軽減され、機器の寿命延長にもつながります。
さらに、空調機器のデザインにも配慮したいところです。店内のインテリアやイメージと調和するデザインを選ぶことで、空間全体の雰囲気を損なうことなく快適な環境を実現できます。加えて、空気清浄機能や除湿機能を備えた機種を選べば、施術中の不快感を減らし、衛生的な空間づくりも可能です。
理容室・美容室におすすめの「エコウィンHYBRID」
理容室・美容室における空調設備は温度調整機能だけでなく、均一性や静音性、省エネ性にも配慮する必要があります。そうした課題を解決できる空調システムが「エコウィンHYBRID」です。
ここでは、エコウィンHYBRIDの特徴・仕組みや、製品情報、導入事例などを紹介します。
特徴・仕組み
快適性と省エネ性を両立した次世代型の空調システムです。一般的なエアコンと組み合わせて使う輻射式冷暖房システムで、遠赤外線によって空気ではなく人体や椅子、壁などの物体をじんわりと温めたり冷やしたりするのが特徴です。夏は木陰にいるような涼しさ、冬は陽だまりのようなあたたかさを実現し、施術中のお客様が冷風にさらされることなく、自然で快適な体感温度になります。
既存のエアコンを弱運転で併用するだけで体感温度を2~4℃調整できるため、冷暖房の設定温度を控えめにしても快適に過ごせ、光熱費の削減につながります。風を強く出す必要がないため、髪の毛やほこりが舞いにくく、施術空間の清潔さも保ちやすくなるでしょう。
安全性の面でも優れており、発熱部は低温輻射(45~50℃)のため火傷の心配が少なく、角のない円筒形のパネルは接触時のケガのリスクも低減できます。お客様にもスタッフにも優しい環境を実現できる空調システムで、理容室・美容室においてもおすすめです。
エコウィンHYBRIDの詳細はぜひ以下をご確認ください。
製品情報
「エコウィンHYBRID」には、設置環境や空間の広さに応じて選べる3つのタイプがあります。
SCREEN(スクリーンタイプ)
天井近くまで届く高さ2350mmの縦長設計で、約24畳程度の空間に対応。輻射熱を効率良く広範囲に届けることができ、大型店舗や吹き抜け空間にも適しています。重量は約40kgで、カラーはホワイトとダークブロンズの2色。デザインパネルやアルミフレーム枠、ドレンポンプといったオプションもございます。
WALL(ウォールタイプ)
スクリーンタイプよりも一回りコンパクトで、約12畳程度の空間向け。高さ1250mm、重量約30kgで、壁面設置に適しており、限られたスペースにも導入しやすいモデルです。カラーはホワイトとダークブロンズで、反射板の追加などのオプションもあります。
LOWBOY(ローボーイタイプ)
窓下や低所に設置できる高さを抑えたデザインが特徴。Sサイズ(約12畳対応)とLサイズ(約20畳対応)があり、レイアウトの自由度を保ちながら快適性を実現できます。重量はそれぞれ23.5kg、34kgで、幅はSが1600mm、Lが2200mm。カラーはホワイト、ブラック、ステンレスの3色展開で、デザイン性にも優れています。
導入事例
現在「エコウィンHYBRID」は多様な店舗、施設で導入されています。一般的な住宅をはじめ、小売店や、保育園や介護施設などの福祉施設、役所や集会所などの公共施設、さらには体育館やホテルといった大空間の施設でも活用されています。
それらの施設では、風を感じさせない快適性や静音性、省エネ性能が高く評価されており、理容・美容業界においても同様のニーズに応える設備として注目されています。店舗づくりにおいて、快適性と機能性の両立を目指すのであれば「エコウィンHYBRID」の導入がおすすめです。
理容室・美容室向けのエアコンをお探しなら
理容室・美容室では、快適な施術空間を保つためにエアコン・クーラー選びが重要です。冷暖房能力はもちろん、温度のムラが発生しづらい設計や静音性、省エネ性にも配慮する必要があります。特に髪の毛や薬剤の飛散が気になる現場では、風の出方なども大きなポイントになります。
店舗の広さやレイアウトに応じて「天井埋込型」や「壁掛型」などの種類・タイプを適切に選定し、清潔で快適な空間を維持しましょう。
また、「エコウィンHYBRID」は、省エネ性・快適性・安全性に優れており、理容室・美容室にもおすすめの空調システムです。導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。